子どもと一緒に、生理をオープンに語ろう!楽しく学ぶ生理のワークショップレポート
7月10日(日)に、川崎ミューズで性教育講師・Cosmos共同代表の橋本阿姫さんが運営している「C+(シープラス)」とティーンの女の子に大人気のアパレルブランド「レピピアルマリオ」のコラボレーション企画で、「キラキラ生理ワークショップ」が行われました。
楽しくおしゃれに生理を学ぶ
キラキラ生理ワークショップ
小学校時代、女子だけが教室に残されて生理のことを学んだという記憶がある大人もたくさんいると思いますが、このワークショップは、もっと楽しくおしゃれに生理を学ぼうというもの。講師は、「ぴーちゃん」こと橋本阿姫さんと、阿姫さんが性教育を学んだNPO法人「せいしとらんし熊本」の先輩でもある「もっち」こと榎本愛美さんが務めました。
▲オンラインの参加者に自己紹介をする橋本阿姫さん
ワークショップでは
生理の時の様子を自由に自分でデザイン
ワークショップに入る前に、まずは座学で生理がはじまるころの女の子の体の変化からスタートし、子宮のしくみ、生理について説明。生理の影響でおこる心の変化や婦人科の医療機関受診の目安なども解説。後半では子宮のワークシートを使って、生理の時の子宮の様子を参加者の皆さんが自分で想像しながら作り上げるワークショップを行いました。
▲会場参加の華真里さんとかほちゃん。キラキラのスパンコールやカラフルな毛糸などを使って、母娘で協力して生理の時の子宮の様子をデザインしていました。
生理のことを楽しく学ぶことで
恐怖心を取り除きたかった
作業の合間には、「女の子は生まれた時から卵子が体の中にあるかないか」「江戸時代の女性の生理の回数は何回くらいか」などのクイズタイムも。会場で対面参加したかほちゃん(小学校5年生)は、「クイズが一番楽しかった!」と話してくれました。
かほちゃんのお母さん・華真里さんは、元々小学校教員をしていた経験もあり、生理を教える立場にもいたそう。それでも、「いざ自分の娘に教えるとなると、親子間で教える性教育って、どうやったらいいのかなと重く考えていたので、そういうことを楽しく教えてくれるセミナーがあればいいなぁと思って参加しました」とのこと。普段、かほちゃんには、自分が生理痛で苦しむ姿しか見せていないため、「生理になったら大変そう、生理はいいものではないという恐怖心を与えていたかもしれない」ということで、今回のワークショップで、生理に対しての恐怖心を払拭して、楽しく学んでほしいと思ったそうです。
「ワークショップの最後で紹介された、ナチュラムーンさんの紙ナプキン(※天然由来成分を使用し、肌に刺激となる成分を使わず、環境にも配慮)や、月経カップをはじめとした、いろんな種類の生理用品について知ることができたというのは大きな収穫でした。サニタリーショーツは知っていても、吸水ショーツは手にしたことがありませんでしたし、娘が大好きなレピピアルマリオさんで吸水ショーツを販売されているのも初めて知りました」(華真里さん)。
ちなみに、かほちゃんは「初めての生理用ショーツはレピピで」と言っていたくらいの「レピピアルマリオ」好き。お土産でいただいた吸水ショーツを使う日が来るのが楽しみと、今からワクワクしているとのことです。
▲会場参加者に話しかける「もっち」こと榎本愛美さん。
生理は自分の体で起きるから
正しい知識を自分で持つことはとても大切
子ども向けの内容ではあっても、クイズのような雑学も含め、何年も生理と付き合っている大人でも、「知っているつもり」になっていることって意外とあるものです。
オンラインで参加した方からは、
「知らないこともあったけど、自分の体のことだから、知れて良かった」
「自分の体を大切にしていきたいと思った」
などの感想もありました。
▲会場には阿姫さんがフェルトで作った性器や月経カップ、布ナプキンなどの生理用品、性教育本も展示
生理のタブーをなくせば
女性が生きやすい社会になる
大人でも、生理のことはなかなか話しにくい話題です。今ではインターネットなど、情報入手の手段があるとはいえ、まだ生理を知らない子どもにとっては未知の領域。「恥ずかしい」「怖い」「なんでそんなものがあるの?」など、生理についてのマイナスなイメージを持っている女の子も多いでしょう。
日本は、かつて「月経中の女性が穢(けが)れている」とされ、生理中の女性を隔離する「月経小屋」があった時代もあります。世界を見回しても、かつての日本と同じように生理は「不浄」と言われ、男性とは別室で過ごす風習のある国もあり、生理への偏見はすべて拭い去れないのが現状です。オープンに話せるようになったと言われる現代でも、母娘、同性の友人同士でも生理について話すのはタブーという風潮もいまだ根強く、生理痛の辛さを隠したり、経血量が多くても「それが普通」と思ったり、さまざまな不調を我慢することで婦人科系疾患の早期発見を妨げてしまうような状況も生まれています。自分の生理の状態が正常かどうか、人と比べるのは難しいからこそ、初潮がはじまる前から、生理について正しい知識を学ぶことは将来にとっても重要なこと。今後も、このようなワークショップで、もっと深く、もっと広い生理や女性の体の健康に役立つ情報が学べる機会がますます増えることを望みます。
文・撮影:大橋美貴子
▲講師の「ぴーちゃん」こと橋本阿姫さん(左)、「もっち」こと榎本愛美さん(右)
講師に橋本阿姫さんを迎え子宮や生理の仕組みを
自分でデザインしながら学べるワークショップを開催
コドモの性教育「子宮と月経のワークショップ」
生理の仕組みを毛糸・ビーズ・レースなどの素材を用い、好きな色や好きな素材を自由に選んで生理の時の子宮の様子を参加者さまが自分で創造するワークショップです。可愛い材料を使いながら楽しく生理について学べます。
開催日 8月2日(火)
講師:橋本阿姫(Cosmos共同代表・性教育講師)
開催時間①受付10:30〜11:00〜12:30
②受付13:30〜14:00〜15:30
対象:小学3年生〜中学生
定員:各回6名(+その保護者さま6名)
参加費:お子様1人500円
※付き添いの保護者さまや見学希望の大人は別途入場料500円が必要です
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