子宮が未熟なだけ?私が婦人科に行かなくなった理由。
生理不順と激しい生理痛に悩まされた思春期。母の言うことは決まって「年頃になれば落ち着くから」でした。生理が来るのは3ヶ月に1回、半年に1回とまちまち。生理が来ないからといって、元気というわけでもなく、生理が来る1ヶ月前から生理痛のような痛みに悩まされることもあり、生理が来たら来たでさらにひどい激痛が。
制服のYシャツがびしょ濡れになる程の脂汗と気を失いそうになる腹痛と吐き気で自分はもう死ぬのかもと思う日もありました。鎮痛剤が効くのを待つ私に、それでも母は「年頃になれば落ち着くから」と決まって言うのです。
19歳になった頃、とても評判の良い病院だから安心して行っておいでと姉に背中を押され、姉が出産の時にお世話になった産婦人科に行くことになりました。
担当してくれたのは普段いる医師ではなく、非常勤の若い女性の医師でした。エコーで下腹部を確認をし、特に何か細かい説明をするでもなく、驚きの言葉を一言口にしたのでした。
「子宮が未熟なだけですね」
一瞬何を言われたのか分からず、戸惑いました。あなたの子宮は未熟。それだけなんで、薬出しとくから、あなたはさっさと帰って、次の方どうぞ。と言った感じを受けざるを得ず。その日はとぼとぼと家に帰ったのを覚えています。
母にも診断結果を伝えると「やっぱり」と言われ、自分の子宮はまだ未熟なのだから生理痛が酷くても我慢しなければならないのかと思ったのでした。診断結果に疑問はあったものの、実は内診ではなくエコーだけの診察に自分自身ホッとしていました。
婦人科という、一歩踏み出すにはハードルの高い場所ということもあり、私自身の中で病院に行ってもなんの解決にもならない。自分は病院に行く必要はないんだと思い込むようになりました。その根底には今度は内診があるかもしれない、内診はしたくないという思いもありました。
最近ではピルを処方されるのがスタンダードでしょうが、当時はまだピルは悪として見る風潮があり、ピルは避妊のために飲むものであって、生理を安定させてくれるものだとは思ってもいませんでした。また、生理痛を我慢するために飲む一部の鎮痛剤が不妊にも影響するなんて知りませんでした。
生理痛を我慢すること自体が悪なのだとどれだけの人が知っているのでしょうか?
今であれば、子宮が未熟と言われたら医師に「ピルを処方して下さい!生理が辛いんですから!」とお願いしたかもしれません。
2年ほど前の話になりますが、とあるお店に出向いた時にスタッフさんと生理の話になり、生理痛が酷くて動けなくなるから「ピルを処方してほしい」と婦人科に駆け込んだら、医師からピルを出すのを渋られ、結局貰えなかったと言う話をしてくれました。未だにそういう医師もいるようです。
せっかく病院に行ってもこのようなことが結構あるようで、勇気を出したのに、私のように次に進めないという方は多いのかなと思った話でした。
結局私には、母の言う「年頃」は来ず。25歳を迎えても生理痛も生理不順も治らず。生理痛が来るたびに、生理周期が乱れるたびに、母に「子宮が未熟なんだから」とネタ扱いされ、自分自身でも「私の子宮は未熟なんだから」とネタ扱いするしかなく鎮痛剤で痛みをやり過ごす日々でした。
25歳の子宮が未熟なわけがありませんが、婦人科を受診したくない、内診が怖い、その上25歳にもなって、また「子宮が未熟」と冷たく吐き捨てられる恐怖もあり、医師の言葉と母の言葉が私に呪縛をかけていました。
その呪縛は私の命を脅かすことになったのですが、それはまた次回に。
漫画・文 すずきさえこ
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